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2010年11月10日 (水)

中島敦「李陵」を読んで…自分の生に納得出来る事へのこだわり

 或る先輩から中島敦の「李陵」と「山月記」を勧められた。中島敦の作品を読むのは初めてである。とりあえず、「李陵」を読んでの感想を書く。

 ブログの中でもよく読まれていると思われる感想では、「この小説のテーマは、本当に強い者は誰か、ということではないだろうか」としている。更に、「本当の強さというのは、自己の信念を貫き通すことが出来るか、ということにあると思う」とし、その点では、李陵は、「眼前の利益に預かること」を選択した、「意思を貫くことの出来ない心の弱い人間だった」のであり、「本当に強い人間は蘇武であったと思っている」としている。そして、一方については、「自己の信念を貫くことによって、より大業をなしうることができ、歴史に名を残すことができるかも知れない」と評価し、他方については歴史に名を残せない、実際には、李陵のように、心の弱い裏切り者として歴史に名を残すことさえあるとしている。私はこの読み方には異論がある。

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