カテゴリー「経済・政治・国際」の16件の記事

2014年1月21日 (火)

米国財政運営体制の正常化の動きと共和党内での内訌について

・ 沖縄の基地問題、東京都知事選挙や靖国問題が喫緊の問題となっている時に、ポイントから外れたテーマで恐縮です。とは言いながら都知事選について一口触れると、①政策本位で評価しよう、②その政策の実現に責任の持てる人を選ぼう、ということです。例えば、細川護煕氏は、熊本県知事以前の参議院議員時代は自民党田中派に属し、日本新党党首として8党派連立政権の首相を務めた時も行ったことは、政治腐敗への対応の名の下での衆院選への小選挙区制導入でした。そして1年持たずに、佐川急便からの1億円「借り入れ」疑惑によって退任に追い込まれました。猪瀬知事が責任を問われた5千万円の2倍の金額です。更には、新自由主義を持ち込んだ小泉元首相迄応援しているというのです。対する宇都宮けんじ氏は、庶民のために貧困の原因と戦う弁護士として一貫して運動してきました。反貧困ネットワーク代表、年越し派遣村村長として、組織力、統率力も試され済みです。次いで、今回のテーマ、米国の財政問題です。

・ さて、先の10月16日、翌日には連邦債務上限を突破し、デフォルト(債務不履行)が必至となる状況のもとで、ねじれ関係にあった上下両院間で財政協議が合意されたことは当時から共和党の政治的敗北として報道されていました。私も雑誌「経済2014年1月号」(2013年12月8日新日本出版社刊)のコラム「世界と日本」に「米財政、デフォルト回避」を投稿し、予算を人質に取り、政府機能を停滞させる共和党の戦略への国民の批判の高まりと、下院での得票率で1.3%民主党を下回った共和党が議席の上では33議席多いという状況の不自然さについて触れました。
 ← 「米財政、デフォルト回避(1)」 「sekaitonihon-beikokuzaisei-deforutokaihi-keizai2014-1-8p.pdf」をダウンロード
 ← 「米財政、デフォルト回避(2)」 「sekaitonihon-beikokuzaisei-deforutowokaihi-keizai-2014-1-9p.pdf」をダウンロード

・その後、12月に2年間(2014~2015年度)の予算協定への合意、1月に2014年度予算(2013/10~2014/9)の可決と、2013年10月の財政協議の合意を具体化してきました。しかし、この間(2013/9~2014/1)の合意形成過程は米国・民主党と共和党との間の権力闘争と、共和党内での権力闘争の場でもありました。そして、米国の政策形成過程や、景気動向が米国のみならず世界に影響をあたえるものであることを考えると、これらの問題に対する関心は欠かせません。

・ 今回は、最近の重要な採否事項がどの様な票の構成によって採決されてきたか、議員たちは状況をどのように評価してきたかをニューヨーク・タイムズ等での報道を見る中で、考えてみました。米国の医療保障制度問題についても紹介します。もう少し読んでみようという方は下記をクリックしてください。

 ←「beikokuzaiseiuneitaiseino_seijoukano_ugoki.pdf」をダウンロード

 森史朗(和泉通信 2014/01/21)

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2013年5月31日 (金)

スティグリッツが、アベノミクスを評価した意味(3/21安倍首相面談を受けての再検討版)

 本件テーマは、日経新聞記者によるダボスでのインタビューが報道された時に、一度取り上げたものである。その後、スティグリッツが、来日し、安倍首相と面談するという状況も見られ、改めて今回の事態を見直す必要があると思われた。丁度その頃、前回のブログ記事を目に留めた政治経済研究所の方から、同研究所のニュースレターである「政経研究時報」に掲載して下さるとのオファーをいただき、再検討版を掲載いただくことにした。
 今回の再検討にあったっては、ブログ五丈原氏、東田剛氏ブログから資料及び発言をお借りした。事後的ではあるがご容赦賜りたい。
 尚、論評の目次は以下の通りである。
・・・・・・
《目次》
1.3月の安倍首相との東京会談と1月のダボスでの日経記者取材
2.円高是正策と金融緩和政策をめぐって
3.その後の安倍政権の動きと経済指標(2013年1月25日~3月26日)
4.3月の安倍首相との会談内容
5.1月の日経記事の問題点
6.新自由主義に抗して
・・・・・・

論評PDF(全5ページ) → 「STIGLITZGA-ABENOMICSWO-HYOUKASITATOIU-IMI.pdf」をダウンロード

以上、

森史朗 2013.05.31 和泉通信

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2013年2月 3日 (日)

スティグリッツがアベノミクスを評価したという日経記事の意図とからくり

この記事は3月のスティグリッツ来日による、安倍首相との面談前に書かれたものです。この記事には改訂版がありますのでそちらをお読みください。内容としては、5がつのスティグリッツ再来日、理論会議をカバーしています。

→ スティグリッツが、アベノミクスを評価した意味(3・21安倍首相面談を受けての再検討版) 


1月26日、日経電子版に同付日経朝刊の短い記事が転載されていた。見出しは「アベノミクス『一定の効果』、スティグリッツ教授円高是正のデフレ対策を評価」である。そこで報道されているスティグリッツ米コロンビア大学教授の発言は以下のようにきわめて限られたものであった。

「一時1ドル=75円台に達した昨年秋までの円高は『日本が相対的に安定しているという理由で買われた』と指摘、実体経済を映した水準ではないとの認識を示した。『日本の金融緩和は景気浮揚に一定の効果がある』とも話し、『研究開発支援などの分野で財政出動も必要だ』と提言した。」「円高を是正して景気を刺激し、本格的なデフレ対策を打つという意図は正しい。」

昨年の円高は実勢水準を離れたものであり、円高是正のための金融緩和は、(輸出競争力強化を通して、日本の)景気浮揚に一定の効果があるというのは、スティグリッツの従来からの考え方であった。日本は2011年から既に貿易収支赤字国になっており、赤字額は同年の2兆5千億円から2012年の6兆9千億円に急増している。政府の介入による円安誘導が他国からも理解される状況になっていたのである。スティグリッツは欧州の財政危機においても緊縮政策に反対し、景気刺激策による景気浮揚の優先を主張した。しかし、スティグリッツの金融緩和政策は中小企業や環境保護産業に必要資金へのアクセスを確保し、雇用を増やし、労働者の賃金を引き上げ、個人消費を増加させ、結果的に総需要を大きくしていくことにあった。だから持続可能な総需要の増加に結びつかない金融緩和政策には批判的であった。今回、インタビューの中でもし、日経記者が消費税率の引き上げと、労働力の流動化(賃下げを含む労働条件の悪化)を伴うものであることについて触れコメントを求めていたならば必ずアベノミクスを批判していたであろう。

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2011年12月30日 (金)

2011年、年末のご挨拶:日本の道を誤らせる消費税増税

 皆様、

寒さの厳しくなってきている折から、健康にお過ごしでしょうか。私は風邪を引いてしまいましたが、例年のものよりしつこいようで閉口しています。さて、ブログに2ヶ月以上のブランクを開けてしまいました。

 理由の一つは、新日本出版社発行の月刊経済理論誌「経済」の2月号に掲載する論文を書いていたことです。テーマは、「転換期にあるG20と、スティグリッツの戦略…資本主義の新しい枠組みへの模索」A5版16頁と、量的にまとまっています。内容的には、①この11月に開かれたカンヌG20を中心としてG20の6回の足跡と、スティグリッツが「国連報告」「パリグループ提言」を通して行なってきた今回の危機の要因分析をまとめています。同月号は「2012年の日本経済をどう見るか」という特集にもなっており、関心を持って読んでいただけると思います。発売は、1月8日からで、価格は、税込980円です。

 理由のもう一つは、合田寛氏が書かれ、この12月10日に発売された、税制改革についての著書、「格差社会と大増税・・・税の本質と負担のあり方を考える」の書評を書いていたことです。実は、12月29日の朝3時頃掲載したのですが、その日の朝刊に、民主党総会の結果の報道が載っていました。民主党は、税制調査会、と社会保障と税の一体改革調査会の合同総会を開き、消費税率を2013年10月に8%へ、2015年4月に10%へ引き上げる方針を提示したというのです。結論は持ち越しましたが、率と時期については原案でいいという意見が過半数を占めており、持ち越しも、「増税には反対しないが、今決める必要はない」という争点隠しに利用しているにすぎないでしょう。法人税実効税率5%の引き下げは11月に成立してしまいました。このままでは国民として何もできない内に消費税増税も決まってしまうでしょう。(30日午後追記:「持ち越し」と報道された29日のことですが、税制調査会等の合同総会が再度開催され、引き上げ時期を半年づつ遅らせ、2014年4月に8%、2015年10月に10%へ、引き上げることで合意したと報道されました。)
 是非、書評と、合田寛氏の「格差社会と大増税」を読んでみてください。民主党、自民党、財界の推進する法人税引き下げ、消費税増税、富裕者優遇税継続は、今回の経済危機をもたらしてきた政策の流れに与するものです。震災復興、原発事故対応、経済危機、エネルギー危機、食糧危機と、課題は時間の無駄遣いを許しません。来年こそは本当の問題解決に向けて前進が勝ち取れる年にしたいものです。

→ 書評:「格差社会と大増税・・・税の本質と負担のあり方を考える」を読んで

森 史朗(和泉通信)2011年12月30日

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2010年9月13日 (月)

リーマンショックから2年、米国経済を中心に世界経済の潮目の変化をみる

目次

〈 在米日経記者の見た潮目の変化 〉
〈 米国の景気対策は雇用対策として効果が薄いと報じたロイター社 〉
〈 実効の上がる、本質的問題を解決してゆく景気対策を 〉

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《 リーマンショックから2年、米国経済を中心に世界経済の潮目の変化をみる 》

〈 在米日経記者の見た潮目の変化 〉
 このところ、一度は危機を脱したかに見えた世界経済だが、各地で潮目の変化を示唆するデータが出てきた。日本経済新聞Web刊(9月11日)に、米州総局編集委員の梶原誠氏が、「リーマンショックから2年、世界経済動かす『DDR』」という記事を書いている。
梶原氏は、景気回復への期待と失望の2年間の軌跡は震源地、米国の株価に見て取れるという。「ダウ工業株30種平均は昨年3月を底に急回復した。だがギリシャ危機が深刻化した今年4月を天井に低迷。リーマン破綻前(1万1421ドル)への回復は遠のいた。リーマンの破綻は金融危機にとどまらず、負債の膨張を前提とする米国の成長パターンに終わりを告げた。歴史的な地殻変動への理解不足が誤算につながっている。」というのである。そして梶原氏は誤算の原因を「銀行や家計が過剰な負債の圧縮を迫られる震度を見誤っていた。危機対策で、各国の財政が極端に悪化する危うさも甘く考えていた。」というところに求め、米債券運用会社ピムコを率いるビル・グロス氏の意見を紹介している。グロス氏は昨年、最大で5年間は世界経済を動かし続ける力を3つに絞ったというのである。

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2010年8月14日 (土)

対米従属から抜け脱さないと経済危機も克服できない

 ブログを読んで戴いているHさんから質問を受けました。「何故総理大臣はアメリカに尻尾ふってべったりするのかということ、分かりやすく教えていただけませんか?どんなメリットがあるのですか?安保によって経済もアメリカ言いなりになっているのは分かるのですが…」

 私は下記のような考えをかえしました。「Hさんがおっしゃる通り、米国を最大の市場としてきた日本にとって、日米同盟は不可欠だったでしょう。しか し、これからはどうでしょう。円高ドル安によって米国への輸出が減り輸入が増え、マーケットとしての重要性は下がってきて、中国を筆頭とするアジア諸国が 最重要市場になってくるのではないでしょうか。オバマ大統領も米国の産業強化による失業削減に取り組もうとしており、ドル安政策は避けられないでしょう。」

 「もう一つは、安全保障政策が米国依存になってしまっていることだと思います。私は自民党の中に自主防衛派は少ないと思っています。戦争を恐れる気持ちを彼等も持っているのです。ただし、自主平和外交によって紛争を平和的に解決していく方法がイメージできないから、日米同盟に帰ってきてしまうのではないでしょうか。その点で地域外交や、国連外交で力をつけることは重要です。」

 返事を送信したのは7月24日(2010年)のことでした。その後、日米の政治経済にいくつかの動きがありましたので、もう少し考えてみようと思います。

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2010年5月 6日 (木)

自民、民主の混迷している今こそ、草の根運動を強めよう…光が丘九条の会で小森陽一さんのお話をお聞きしました

4月24日に開催された、光が丘9条の会の講演会で小森陽一さんのお話を聞きました。小森さんは「九条の会」の事務局長をつとめておられます。本業は東京大学教養学部教授で国文学を教えておられます。「国文学」というとある種の古めかしさを感じさせますが、小森さんの話し方は機知に富んでおり、話題も政治・経済・歴史に広くわたり、私たち聴衆の心を動かし、とかく傍観者にとどまっていがちな私たちを政治変革の運動にいざなって下さいました。

特に、議論している時に、本当に納得出来ていない話が出ても問題をそのまま曖昧にしていたのでは人びとを説得できない。今一人ひとりに求められているのは、そこを越えて、人々を変えてゆく力を身につけ、少しでも多くの人々と九条の会での独創的な活動を生み出してゆくことであると強調していました。そして、その日は九条問題と最近の政治情勢を歴史的にとらえ直すことに焦点を置いたお話がされました。

以下の文章は、小森さんのお話の大枠を後で調べた情報で埋めながら、考えたことをまとめたものです。小森さんの趣旨から離れてしまったところもあるかと思いますが、ご了解願いたいと思います。

森 史朗
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《二一世紀を照らす九条の光》 小森陽一「九条の会」事務局長

Ⅰ.自公政権崩壊を実現した草の根の力

・ この数年の政治的戦いは、小泉政権の規制緩和路線がもたらした丸裸の資本主義から憲法を武器に生活を守る戦いだった。そして、結果として、昨年の衆院選挙で、国民は「自分たちの手で政治は変えられる」という新しい経験を得た。
・ 「九条の会」は、2004年6月10日の記者会見をもってスタートしたのだが、そのきっかけとなったのは、2004年4月に報道された読売新聞社の憲法についての世論調査結果だった。憲法改正賛成派は既に1993年から多数派になっていたが、その年は、賛成派が65.0%に至っていた。それに加藤周一さんが危機感を持たれ、大江さんと語らって発足したのが「九条の会」である。記者会見はメディアからは相手にされなかったが、積極的に講演活動に取り組む中で、全国各地にそれぞれの「九条の会」が設立された。
・ 読売新聞の世論調査での憲法改正賛成派は2004年をピークに減少に転じ、2007年には賛成派46%、反対派39%と、賛成派が過半数を割り、2008年には賛成派42.5%、反対派43.1%とついに反対派が賛成派を僅かながらも上回った。2008年と2009年は、賛成派42.5%、52%、反対派43.1%、43.1%と再び賛成派が反対派を上回ったが、今年は賛成派43%、反対派42%と、差は1%に縮んでいる。「九条の会」の呼び掛けに始まった国民運動の成果は確実に上がっていると言える。

Ⅱ.郵貯民営化と米国経済危機

・ 2005年9月の総選挙は、いわゆる「郵政民営化選挙」となり、小泉自公政権の大勝利となった。郵政民営化が急がれた背景には小泉首相の熱意だけでなく、米国からの圧力があった。2004 年10月14日に公表された「日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書」(略称:年次改革要望書)では、米国の保険業界にとって、120兆円を超える「かんぽ」資金は非常に魅力的な市場であり、米国政府は要望書で自国保険業界の意向に沿う形で「簡保を郵便事業から切り離して完全民営化し、全株を市場に売却せよ」と日本に要求している。郵貯資金も加えれば350兆円に及ぶ規模となる。そしてその背景には米国のサブプライムローン問題があった。
・ サブプライムローンの行き過ぎは1990年代後半頃から問題視されるようになり、2005年10月、住宅価格の崩壊が始まった。米国の金融機関にとっては、郵政の資金はサブプライムローンを始めとする金融商品の販売先として至急に必要になっていたマーケットだったのである。その後、米国金融危機は2008年9月のリーマンショックを経て、国際金融危機へと拡がっていった。

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2010年4月16日 (金)

日米市民の政治参加姿勢の違い・・・「アメリカ揺るがす『反オバマ』の衝撃」を見て

昨晩(2010/04/15)、息子からメールが届きました。その日に放送されたNHK「クローズアップ現代」の「アメリカ揺るがす『反オバマ』の衝撃」を見て、感想を送ってきたのです。下記に引用します。
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さっきクローズアップ現代を見ていたのだけど、毎度思うけどアメリカと日本の市民の政治活動の温度差って激しいよね。

日本じゃ政治活動なんて「やばい」「ダサイ」「クレイジー」みたいな感じだけど、アメリカじゃ普通に市民権として実行されている。

とは言え、正直アメリカの政治活動も気持ち悪いと言うか恐い物を感じさせるので一概に良いとも言えないが、あの関心と行動力は日本にもあっていいよな~と思う訳です。

そういや今月は明治大学の入学があるから、駅前でヘルメットとマスクをした連中が反朝鮮運動みたいな事をしていたよ。

ああいうファッションは伝統なのかね~?

あれをしている限り学生運動はそうそう日の目は見ないだろうと思いました。
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番組は、共和党を中心にしつつも、民主党支持者層も大きく巻き込んだ形で、中間層の市民を中心にした反増税キャンペーンが「ティーパーティー」という共通の名前を冠した市民運動として活発になってきていることを報道していました。銀行救済や景気刺激策のための公的資金の投入への批判は私も同意見ですが、貧困層への健保サービス(ヘルスケア)、失業者対策のコスト負担が中間層にも増税という形で押し付けられてくるとして反対運動が起こっているのです。

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2010年1月 1日 (金)

新しい年を迎えて・・・変革の流れを維持して行くために

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《 年賀状 》

 明けましておめでとうございます。

 見かけは回復基調にある日本経済ですが、危機をもたらし、社会を脆弱なものにしてしまった「雇用の流動化」はそのままです。

 働く場を持つことは、生活と人生の基盤です。みんなが社会の中に「居場所」を持てるようにすることは社会安定の条件です。

 「虎は一日に千里を往き、千里を還る」といいます。

 明確な方向性を持ち着実に一歩一歩を踏み出せるよう、そのエネルギーにあやかりたいものです。

 本年の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

《 問われる民主党、そして国民自身 》

 昨年7月27日、私はブログ「ガンバレ民主党、でもこの政策はおかしいぞ(改訂版)・・・まとめ」で、次期政権党と確実視されていた民主党の政策への期待を込めつつ、そのためにも、三つの課題を克服する必要があると強調しました。

 第一の問題は、大企業と対決する姿勢がないと財源問題・雇用問題は解決しないということ。
 第二の問題は、日米軍事同盟への依存をやめ自立した日米友好関係を築かないと日本の平和はつくれないし、財源問題も解決できないということ。
 第三の問題は、小選挙区制は上の二つの基本政策では一致する二大政党間の政権交代を実現する舞台となり得ても、今日の日本が直面している問題を解決することはできないということ。それ故、政治の舞台から少数政党を追い出すことを数の力に任せて行うのは「民主党」の名を貶めるものであるということ。

 総選挙勝利後4ヶ月の今日、やはり三つの壁にぶつかっています。第一は、予算の財源不足から、マニュフェストで約束からの後退を続けていることです。不況による税収不足を理由に社会福祉、教育、子育て、農業の部門での後退を合理化する姿勢が見えます。しかし問題はパイ全体が小さくなっていることよりも、パイの分け方にあるのです。富める者を優遇する10%という証券売買・配当収益への低税率の維持、景気対策の名目での大企業の販売支援。大企業の、雇用問題解決のための責任の放棄に対する無策(合成の誤謬がもたらされています)。防衛予算、米国基地維持運営のための思いやり予算への切り込みの弱さは否めません。

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2009年9月 6日 (日)

米国経済の回復は持続可能性に疑問・・・スティグリッツ教授が異論

 当ブログでは8月15日、24日と2回にわたってFRBバーナンキ議長による「米国経済底打ち宣言」に疑問を呈してきましたが、今度は国連連金融サミットで活躍したスティグリッツ教授がバーナンキ議長の発言に疑問を呈しました。9月3日に一部メディアとインタビューを行ったものですが、スティグリッツ発言の全文を探したのですが見つかりませんでした。ついては、9月5日付赤旗と9月4日付Bloomberg.com(英文)の二つの記事をご紹介しながら、9月4日に発表された米国7月雇用統計にも触れて行こうと思います。

《 赤旗報道 》

〈 二番底の可能性 〉
 赤旗によると、スティグリッツは米国経済について、「住宅差し押さえや商業用不動産向け融資の焦げ付き増加で金融不安が再燃し、二番底を付ける可能性が非常に高い」と述べ、景気の先行きに強い警戒感を表明しました。更に、「米国は日本と異なり国内に貯蓄が少なく、低金利で国債を発行し続けることができない」と指摘し、「財政赤字拡大と金利上昇リスクを抱え、(1990年代の)日本よりも事態は深刻だ」と警告しました。

〈 大手金融機関への信頼は回復していない 〉
 米大手金融機関の財務については、「時価会計の緩和で不良資産の評価損を計上しなくて済むようになり、損失処理が先送りされた」と述べ、「金融システムに対する信頼は回復していない」と、業績改善に懐疑的な見方を示しました。

〈 世界経済の多極化とドル基軸通貨体制の終わり 〉
 同教授はまた、米国の相対的地位低下と、世界経済の多極化を受け、ドル基軸通貨体制は終わりを迎えつつあると述べ、「新たな通貨体制を作るために各国は協調すべきだ」と訴えました。

《ブルームバーグ紙報道 》

〈 米国経済の回復は持続可能性に疑問 〉
 ブルームバーグによると、スティグリッツ氏は冒頭、「米国経済は1930年代以来最悪の不況にあって、景気浮揚の後再び経済が縮小するという大変な危機に直面している」と述べ、「米国が持続可能な方法で回復しているのかは定かではない」と述べました。

〈 米国経済の二つのシナリオ 〉
 そしてこの数ヶ月の間に世界最大の経済大国が取り得るシナリオは二つあると述べました。氏によると、一つは「沈滞期」で、消費は低迷し、企業投資( private investment ) もなかなか加速しません。もう一つは、政府の景気刺激策で景気の反発が起こり、その後に急激な景気後退が続く「W型景気回復」と呼ばれているものです。氏は、「W型(二番底型)景気回復」の可能性はかなり高いが、不可避ではない、景気は底に近いところで自律反発しているに留まるのではないか、といいます。

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