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2013年1月30日 (水)

ユーロメモランダム2013:深まりつつある欧州連合の危機

 和泉通信の森です。今年の年末年始は後述の文書の翻訳に没頭しており、年賀状は失礼してしまいました。遅ればせながら今年の最初の和泉通信ブログ、をアップロードいたします。
 さて、新自由主義とリフレ政策を合わせたような安倍内閣の経済政策が「アベノミクス」と称され、話題となっています。実際、市場は、円安、株高に動き、少なくとも口先介入の効果は上がっていると言えましょう。しかし、競争力強化と財政赤字の削減の名の下に賃金の抑制、道州制による地方行政民営化と地方公務員の削減、規制緩和の推進が唱われる経済政策では暮らしに余裕が生まれず、内需の停滞により、景気回復も短命なものに終ってしまうでしょう。

今回の和泉通信は、日本の経済動向にも大きな影響を与えると見られている欧州財政危機について、ユーロメモグループが昨年12月に発表した分析文書を翻訳し、紹介するものです。文書名は、《深まりつつある欧州連合の危機・・・求められる抜本的改革 》―2013年版ユーロメモランダム―と言い、「欧州にもう一つの経済政策を求める欧州の経済学者グループ」、ユーロメモグループが発刊しています。ユーロメモグループは西ドイツ出身の政治経済学者、Jörg Huffschmid(1940-2009)のイニシアチブによって1995年に創立されました。グローバル化を批判し、「もう一つのヨーロッパ」のビジョンを掲げています。新自由主義的政策に反対し、「社会的ヨーロッパ」のゴールを一歩一歩目指す道を求めました。「もう一つのヨーロッパ」とは快適な労働条件と生活できる賃金のもとでの完全雇用、社会保障と社会正義、エコロジカルな持続性、国際連帯が保障されるヨーロッパのことです。同グループは、現在も設立当初来の分析スタンスを坚持しており、欧州各国政府、欧州官僚機構、大企業経営者等で構成された現政権の経済政策とその成果を分析、評価し、その上で「もう一つの」欧州経済政策を提示しています。

 尚、「ユーロメモランダム」は、原則的には毎年9月に開催されているワークショップでの検討結果に基づいてまとめられ、1年または、2年毎に発表されています。実際の発表時期は、報告年次の前年の12月となります。(最初の「ワークショップ」は、1995年9月に開催され、最初の「ユーロメモランダム1997」は1996年9月にJörg Huffschmidによって書かれ、1997年5月に発表されました。)
 今回の日本語への翻訳は、ユーロメモグループの了解のもとで、合田寛、森史朗の両名によって共訳され、EuroMemo Groupのホームページと和泉通信ブログの双方に掲載されています。

EuroMemorandum2013(概要)日本語訳→ 「EuroMemo2013SummaryJapaneseTranslation.pdf」をダウンロード

EuroMemorandum2013(概要)日本語訳→ (EuroMemo Group HP)

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