2016年1月 1日 (金)

新年を迎えるにあたって

《年賀》
 皆様におかれましてはお健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます。旧年中は大変お世話になりありがとうございました。新しい年のご多幸と皆様のご健勝をお祈り申し上げますと共に、本年も宜しくお願い申し上げます。
《平和・安全保障》
 さて昨年は日本の平和と安全保障の仕組みが大きく変わった年でした。安保法(一般に「戦争法」)が、9月19日安倍自公政権によって強行採決されたのです。しかし国会採決直後の9月21日に発表された四大紙+共同通信の世論調査では、八割以上の回答者が「安保法について政府与党は十分説明していない・不十分だ」と回答しており、同法の成立に対する賛否も、55%以上の世論調査回答者が「反対・評価しない」としています。小選挙区制の歪みを利用した中で強行された民主主義への暴挙です。民主主義のルールを破った政党・議員には報いを与えなければなりません。今年の参院選で与党を敗北させ、戦争法を廃止するのです。共産党からは「戦争法廃止」一点を一致点とする国民連合政府のための選挙協力が提案されています。
 戦争法は日米安保や「有志連合」の要請の下、世界のどこへでも自衛隊を派遣可能としようとするものです。では果たしてこれまでの平和外交主義が無力だったのでしょうか、戦力による戦争抑止力が必要だったのでしょうか。シリア、イラク、リビア等で泥沼化の進みつつある中東紛争は大国や近隣国の介入が平和な地域の回復に逆効果であることを示しているように思えます。
《パーキンソン病》
 昨年はブログの更新がまったくできませんでした。言い訳けめきますが、長時間本を読んだり、集中して文章に纏めたりということができませんでした。いつまでに立て直しができるかわかりませんが、情勢に見合うものになりたいと思っております。

 2016年1月1日  森 史朗(和泉通信ブログ)

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2014年11月24日 (月)

合田寛著「タックスヘイブンに迫る」を読んで (2014.9.25新日本出版社刊、1700円)・・・・・・資本主義の聖域、タックスヘイブンに迫る好著

 税制や会計の問題に詳しく、その為もあって当ブログでもその著書や、雑誌への掲載論文のいくつかをご紹介してきた合田寛氏が、最近、タックスヘイブンについての単行本を発行されたのでご紹介する。TAXHAVEN、直訳すれば、「税金からの避難港」については言葉を耳にする機会は増えてきたものの、まだその意味や実態が理解されていない分野だとも言えよう。

《『アベノミクス』批判の舞台》
 12月14日投票の総選挙の大きな争点の一つとなる『アベノミクス』の舞台は、国際生産投資の獲得をめぐる国際輸出・技術競争力競争。アベノミクスは、労働力の流動化によって安くて効率の高い労働力を作り出し、法人税の安い、法人による社会保障負担の低いビジネス環境を作ろうとしているわけである。
 しかし円安で交易条件を高め、膨大な流動性を市場に供給し、個人消費と法人設備投資を刺激し、消費増税後のGDPの反動減を小さくしようという思惑も失敗に帰した。駆け込み需要のあった2014年1-3月期実質GDP前期比 +1.5%、,駆け込み需要の剥げ落ちた4-6月期、-1.7%、7-9月期-0.4%と、増税に対応しての消費需要減が『成長政策』に先行している形だ。
 この『アベノミクス』の誤りを分析する際にも国際金融資本の資金の流れを追うタックスヘイブンの分析手法が必要となると思われる。

《開拓者として》
・この分野の開拓者としてのご苦労を思い、著作への感謝に耐えない。サミットから市民運動まで、税務・会計・経済から政治・地理まで、広い知見が示された。今後参考とすべき基礎資料の整備としても助けとなるものである。この書は、タックスヘイブン問題が身近で放置できないものだという警鐘を鳴らすと同時に、欧米に比べ遅れている日本での運動の喚起を訴える啓蒙の書でもある。以下、重要と思われる論点を紹介する。

《タックスヘイブンを利用した目に余る課税逃れ》
・毎年、売上17 兆円、利益3 兆円、フルタイムの正規雇用だけでも8 万人を越えるアップル社が、まったく納税していなかった。同社だけでなく、ほとんどの大企業がタックスヘイブンを利用した課税逃れに取り組んでいる。
・海浜リゾートのイメージに重ねられがちなタックスヘイブンを舞台にした課税逃れの仕組みは、「タックスプランニング」という言葉に美化され会計士事務所や法律事務所から提供されている。ヤシの木の背後には多国籍企業や巨大銀行、法律会計事務所によるグローバルなネットワークが浮かび上がってくる。

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2014年4月16日 (水)

「憲法9条にノーベル平和賞を」という市民運動をご存知ですか

1.「憲法9条にノーベル平和賞を」という市民運動をご存知ですか。
① その名の通り、特にその第9条によって国際平和に貢献している日本国憲法にノーベル平和賞を授与することによってその国際的価値を明らかにし、9条改悪の動きに歯止めをかける一助にして行こうとする運動です。東京新聞がこの運動について丁寧な記事を書いているのでそれにそって紹介します。(「9jouni_nouberuheiwasyouwo_toukyousinnbunn14_1_3.pdf」をダウンロード
② このアイデアを思いついたのは神奈川県座間市の主婦でクリスチャンの鷹巣直美さんです。2012年10月、欧州連合(EU)への平和賞授与の報道に接して思いつきました。EUの受賞理由は「地域の統合により、国家の和解と平和を進めた」というものでした。それならば、「戦後70年近くも日本に戦争をさせなかった9条にも資格がある」とひらめきました。
③ しかし、集めた署名を、ノーベル平和賞の受賞者を決定するノルウェー・ノーベル委員会に送り始めたところ、委員会から「ノーベル賞は個人か団体に授与するもので憲法のように抽象的なものは候補になれない」との返信が送られてきました。実は「9条にノーベル平和賞を」という運動は1991年に、「第9条の会」を米国で立ち上げたチャールズ・オーバービー、オハイオ大名誉教授が過去に推薦しようとしましたが鷹巣さんと同じ理由で委員会から断られていました。そこで鷹巣さんが考えついたのが、「9条を保持している日本国民」を受賞者にして行くという枠組みでした。そのため署名簿の申し入れ文は以下のようになっています。
《ノルウェー・ノーベル委員会 御中》
 「日本国憲法は前文からはじまり 特に第9条により 徹底した戦争の放棄を定めた国際平和主義の憲法です。特に第9条は、戦後、日本国が戦争をできないように日本国政府に歯止めをかける大切な働きをしています。そして、この日本国憲法第9条の存在は、日本のみならず、世界平和実現の希望です。しかし、今、この日本国憲法が改憲の危機にさらされています。
 世界各国に平和憲法を広めるために、どうか、この尊い平和主義の日本国憲法、特に第9条、を今まで保持している日本国民にノーベル平和賞を授与してください。」
④ 鷹巣さんが地元の9条の会等、市民団対などに相談したところ、実行委員会が昨年8月に発足しました。また、署名も、2万5千近く集まりました。
⑤ しかし、この東京新聞でさえ記事の中で「荒唐無稽のようだが」と書かざるを得なかった運動でしたが、大学教授等の積極的協力を受けて、一定の資格を与件とする推薦人集めが進み始めました。
⑥ そんな中、2014年4月始め、ノルウェー・ノーベル委員会から、「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会の提案を受けとりました」「今年は278の候補者が登録されました」「今年度の最終受賞者の名前は10月10日に発表される」とされていました。(しんぶん赤旗2014.4.13

2.実行委員会からの依頼事項
① 署名をする:
方法A:ネット署名: http://chn.ge/1bNX7Hb 
方法B: 署名用紙: 署名用紙表 (操作中にEVERNOTEへの加入申し込みフォームが出てくることがありますが、加入を希望しない場合は、右下のSKIPをクリックして下さい。)署名用紙裏
②まわりに広める:
A:署名をまわりの人に呼びかける。
B:メディアに働きかける。(新聞の読者投書欄への投稿など)
C:電子署名は国境を越えます。世界中の人々の力を借りることができます。

以上、皆様のお力添えをお願い致します。なお、今回は、「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会実行委員の落合正行さんからお話を伺いました。ありがとうございました。

森史朗 2014/04/16

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2014年3月31日 (月)

ユーロメモランダム2014: 深まる欧州の分岐とEU政策への抜本的代替案の必要性

2013年1月30日にユーロメモグループの了解を得て《ユーロメモランダム2013》を翻訳してから1年以上がたちました。遅ればせながらここに《ユーロメモランダム2014》の日本語翻訳版をお届けします。翻訳の遅れは当方の翻訳への着手が遅れたことによるものです。翻訳は合田寛氏と森史朗両名による共訳です。翻訳文書は、和泉通信ブログと、ユーロメモグループの下記リンクをクリックして下さい。

Izumi-tsushin Blog HP→ "http://izumi-tsushin.cocolog-nifty.com/blog/files/EuroMemo2014_Summary_Japanese.pdf"

EuroMemo Group HP→ http://www.euromemo.eu/euromemorandum/euromemorandum_2014/index.html 

欧州に物・人・金の自由な単一市場、単一通貨を実現・拡大し、効率的生産・販売市場、金融為替市場を作ってゆこうという目標の下、欧州統合は進められてきました。ところが今回の危機にあっては、欧州の金融機関等が米国発の金融投機商品の購入者として大きな損失を被りました。ここで求められるのがGDPの分配率を調整することによる、あるいは産業構造再編による総需要の拡大です。不況による所得の減少の他に、所得格差の拡大も消費・投資に回らない貯蓄の増加をもたらし総需要の減少をもたらします。こうした状況下でEUが採用した政策が緊縮政策でした。財政の不均衡問題に対してもEU全体での生産力の不均衡問題として捉えるのでなく、当事国の自己責任を問うことが第1になりました。

 昨年のユーロメモ2013では、①各国予算をコントロールするというかつてなく大きな権限を欧州委員会が得るに従って、EUの構造がますます非民主主義的なものとなってきていること、②北部中核諸国、特にドイツの、周辺諸国に対する立場が強化されたが、③賃金引き上げの抑制と、輸出超過額の増加に依存するドイツ経済ではEU全体のモデルとなることはできないことが主張された。 ④金融部門が肥大化し過ぎている現状(経済の金融化)は根本的に逆転されなければならない、⑤商業銀行業と投資銀行業は完全に分離されるべきであり、⑥持続可能な投資案件への資金供給をはかるために、公的および協同組合商業銀行が振興されるべきである、⑦投資銀行、ヘッジ・ファンド、プライベート・エクイティーファンドは、厳しく制限されなければならないとも述べられています。
 ⑧長期に渡る高失業率は今回の不況の特徴の一つでした。EUにおける、2012 年の公式失業率は10.6%でしたが、スペインとギリシャでは 25%でした。また、EUの若年者失業率 22.7%に対してスペイン、ギリシャのそれは 50%以上でした。⑨緊縮政策では、税の抜け穴を塞ぐのでなく、経費カットに焦点が当てられました。インフラストラクチュア・プロジェクトの延期あるいは中止、健康管理、教育、社会保障、福利厚生等の経常的経費(recurrent expenditure)の削減が行われました。⑩多くの国で、公務員の大幅削減も成されました。不景気と緊縮政策の重なりから最も大きな痛手を受けたのは最貧層の人々でしたが、危機に襲われた国では多くの中間層も影響を受けました。

 今年のユーロメモ2014では、①EU経済が、どうやら景気後退からの出口を見出したようだと情勢を前向きに評価しつつも、②北部中核国と周辺国の格差が広がり、③特に周辺部各国のひどい失業状況が目に見えて改善されることは期待できないとしています。(EUにおける2013年7月の失業率は10.9%、スペイン、ギリシャが27%、EU全体としての若年者失業率が23.4%、スペイン、ギリシャのそれは56%以上でした)そして④厳しい緊縮政策が社会的分極化を広げ、欧州各国間の生産能力に格差をもたらす産業再編をもたらしたとも述べています。

 欧州は先進国の中で景気回復が遅れており、また弱まりつつあるとはいえ国民の主権と人権を擁護する強い力を持つ地域です。それ故、政治・経済の矛盾が日米に先行して現れるとも言えます。

以上、

森史朗 2014/3/31

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2014年1月21日 (火)

米国財政運営体制の正常化の動きと共和党内での内訌について

・ 沖縄の基地問題、東京都知事選挙や靖国問題が喫緊の問題となっている時に、ポイントから外れたテーマで恐縮です。とは言いながら都知事選について一口触れると、①政策本位で評価しよう、②その政策の実現に責任の持てる人を選ぼう、ということです。例えば、細川護煕氏は、熊本県知事以前の参議院議員時代は自民党田中派に属し、日本新党党首として8党派連立政権の首相を務めた時も行ったことは、政治腐敗への対応の名の下での衆院選への小選挙区制導入でした。そして1年持たずに、佐川急便からの1億円「借り入れ」疑惑によって退任に追い込まれました。猪瀬知事が責任を問われた5千万円の2倍の金額です。更には、新自由主義を持ち込んだ小泉元首相迄応援しているというのです。対する宇都宮けんじ氏は、庶民のために貧困の原因と戦う弁護士として一貫して運動してきました。反貧困ネットワーク代表、年越し派遣村村長として、組織力、統率力も試され済みです。次いで、今回のテーマ、米国の財政問題です。

・ さて、先の10月16日、翌日には連邦債務上限を突破し、デフォルト(債務不履行)が必至となる状況のもとで、ねじれ関係にあった上下両院間で財政協議が合意されたことは当時から共和党の政治的敗北として報道されていました。私も雑誌「経済2014年1月号」(2013年12月8日新日本出版社刊)のコラム「世界と日本」に「米財政、デフォルト回避」を投稿し、予算を人質に取り、政府機能を停滞させる共和党の戦略への国民の批判の高まりと、下院での得票率で1.3%民主党を下回った共和党が議席の上では33議席多いという状況の不自然さについて触れました。
 ← 「米財政、デフォルト回避(1)」 「sekaitonihon-beikokuzaisei-deforutokaihi-keizai2014-1-8p.pdf」をダウンロード
 ← 「米財政、デフォルト回避(2)」 「sekaitonihon-beikokuzaisei-deforutowokaihi-keizai-2014-1-9p.pdf」をダウンロード

・その後、12月に2年間(2014~2015年度)の予算協定への合意、1月に2014年度予算(2013/10~2014/9)の可決と、2013年10月の財政協議の合意を具体化してきました。しかし、この間(2013/9~2014/1)の合意形成過程は米国・民主党と共和党との間の権力闘争と、共和党内での権力闘争の場でもありました。そして、米国の政策形成過程や、景気動向が米国のみならず世界に影響をあたえるものであることを考えると、これらの問題に対する関心は欠かせません。

・ 今回は、最近の重要な採否事項がどの様な票の構成によって採決されてきたか、議員たちは状況をどのように評価してきたかをニューヨーク・タイムズ等での報道を見る中で、考えてみました。米国の医療保障制度問題についても紹介します。もう少し読んでみようという方は下記をクリックしてください。

 ←「beikokuzaiseiuneitaiseino_seijoukano_ugoki.pdf」をダウンロード

 森史朗(和泉通信 2014/01/21)

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2013年10月25日 (金)

戦後日本経済の変遷と国政選挙での政党得票状況の推移

 長い間ご無沙汰しておりました。その間に季節は夏から秋に移ってきました。
さて、今日は、今年の7月に終わった参議院議員選挙を機に、戦後日本で行われた国政選挙の結果をグラフ等にまとめて振り返ってみようと考えました。大きなテーマなので、まだ試論の域を出ませんが、なかなか抜け出せない低成長経済、国民の自民党への不満は、選挙への支持半減いう形であらわれてきています。得票率の半減は自民党の議員数の減少という形で現れるはずですが、実際には減るどころか倍増しているところもあるのです。

 このブログ記事には、冒頭部分のみを掲載しています。全文を読むためには下記をクリックしてダウンロードして読んでください。いろいろなグラフが添付されていてヒントになることもあると思います。
 グラフの番号(例えば「グラフ1-1」)に当初いくつか表記相違がありました。お詫びして訂正致します。ブログ掲載分はPDFを含め訂正済みです。(2013/10/27)

 → 「sengonihonkeizainohensento_kokuseisenkyo.pdf」をダウンロード

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)はじめに…選挙結果推移から見た日本の戦後政治史
 
 2013年7月21日に参議院選の投票が行われたのを受け、ここで投票結果についてのいくつかの統計と1955年以降の衆参両院選挙結果をグラフにしたものを見ながら、短期、長期の両視点から国政選挙での政党別得票状況の推移を分析してみたいと思います。

1)衆参両院議員選挙主要政党別獲得議席率推移
 まず、「(グラフ1-1)衆議院議員選挙主要政党別獲得議席率推移」は、指標項目を獲得衆議院議員議席数の百分比に絞り、それを時系列的につなぎ、国民の政治動向を読みとろうとしたものです。「(グラフ1-2)参議院選挙主要政党別獲得議席率推移」は、参院選について同様のものを作成したものです。参院選の非改選議員数を加えていませんので実際の政治勢力の実情との間にズレがあります。衆院には非改選の議員がいませんので表に示されているのがそのまま議会勢力を示しています。選挙制度の変更を反映し、同時期の選挙ながら大きく異なる結果をもたらす場合もあります。1996年以降の小選挙区制を導入した衆院選挙の変動と同期間の参院選挙の変動を比較してみれば明らかです。小選挙区制を導入したことにより、衆院の変動幅が大きくなっています。
 さて、こうして過去の選挙結果の推移を振り返った時、歴史は政治の変化の要因をどのようなものとして説明することができるでしょうか。また、歴史の方向についてより好ましい方向を私達が知り得るとしたら、どのようにしてそれは可能となるのでしょうか。今回の分析は戦後高度成長期からスタグフレーションに陥り、今日なお、デフレーションを含む「失われた20年」から脱出できないところに深刻な日本の経済状況があり、この停滞状況をいかに克服してゆくのかに今日の国政選挙の最大の争点があるという認識に立っています。その際私達は、取りあえず一国の生産力の大きさをGDPで、一国の経済成長率をGDPの伸び率で認識するものとして、検討を始めます。
 ここに掲載した「経済成長率の推移(グラフ3)」は本川裕氏のホームページに掲載されていたものです。その他のグラフは筆者によります。

森史朗、(和泉通信ブログ 2013/10/25)

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2013年7月14日 (日)

2005-13東京地区での各選挙得票数推移

今月21日に参院選を迎えるが、この記事は、2005年小泉首相のもとで自公政権が圧勝してからの8年間の政治の動きを振り返ってみておこうとするものである。

この8年間は自公、民主、共社と市民運動のそれぞれにチャンスと試練を与え成功したところは少なかった。自民は、2007年参院選に敗北、ねじれ国会に追い込まれた。2009年衆院選の勝者も民主であった。しかし2010年参院選には、劣勢だった民主が苦戦しながらも破れず、ねじれ国会に入った。

 ⇒ 「togisen-2013.pdf」をダウンロード

連続する選挙の間の各得票の異動を分析し、同様に8年間の変化を一括してみることも試みる試論的試み。

それから、新日本出版社の「月刊経済8月号に短い見開きページのコラム記事を掲載してもらいました。テーマは、「EU緊縮政策の緩和へ」。おなじく「経済8月号」に、合田寛さんの「租税国家の危機とタックスヘイブン」が掲載されています。この10ページを読むだけのためにも、購入の価値ありと思います。(税込980円)

以上

森史朗、 和泉通信 2013/07/14

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2013年5月31日 (金)

スティグリッツが、アベノミクスを評価した意味(3/21安倍首相面談を受けての再検討版)

 本件テーマは、日経新聞記者によるダボスでのインタビューが報道された時に、一度取り上げたものである。その後、スティグリッツが、来日し、安倍首相と面談するという状況も見られ、改めて今回の事態を見直す必要があると思われた。丁度その頃、前回のブログ記事を目に留めた政治経済研究所の方から、同研究所のニュースレターである「政経研究時報」に掲載して下さるとのオファーをいただき、再検討版を掲載いただくことにした。
 今回の再検討にあったっては、ブログ五丈原氏、東田剛氏ブログから資料及び発言をお借りした。事後的ではあるがご容赦賜りたい。
 尚、論評の目次は以下の通りである。
・・・・・・
《目次》
1.3月の安倍首相との東京会談と1月のダボスでの日経記者取材
2.円高是正策と金融緩和政策をめぐって
3.その後の安倍政権の動きと経済指標(2013年1月25日~3月26日)
4.3月の安倍首相との会談内容
5.1月の日経記事の問題点
6.新自由主義に抗して
・・・・・・

論評PDF(全5ページ) → 「STIGLITZGA-ABENOMICSWO-HYOUKASITATOIU-IMI.pdf」をダウンロード

以上、

森史朗 2013.05.31 和泉通信

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2013年5月26日 (日)

志賀櫻著「タックスヘイブン:逃げていく税金」を読んで

[《目次》
1.タックスヘイブンを活用した、大企業、富裕個人層の《節税?》《脱税》の実態に、元財務省官僚が警鐘
2.タックスヘイブンとは何か(タックスヘイブンで何が行われているか)
3.タックスヘイブンの役割を可能にする三つの特徴と、その多重的構造
4.タックスヘイブンとの闘い
・・・・・・
1.タックスヘイブンを活用した、大企業、富裕個人層の《節税?》《脱税》の実態に、元財務省官僚が警鐘

・著者の志賀氏は、大蔵省に入省後、主税局国際租税課長、主計局主計官、金融監督庁国際担当参事官兼FSF日本国メンバー等、タックスヘイブン問題に直接携わってきた。その著者が、「正直に税金を収めている市民の知らないところで、タックスヘイブンを舞台に所得分配の公平を著しく損なう悪事が行われているのである。その悪事による弊害はめぐりめぐって、市民の生活はおろか、一国の財政基盤をも揺るがし、さらには世界経済を危機に陥れている。…秘密のヴェールに包まれたタックスヘイブンの真相を解明し、タックスヘイブンのもたらす害悪に警鐘を鳴らすことが本書のメッセージである」としている。(本書P.4-5、以下頁のみを記す。)確かに本書は,タックスヘイブン問題について日本政府で責任ある立場にいた人による、卒直な批判的分析として稀有なものと言えよう。
・又、「過去においても問題とされてきたタックスヘイブン問題だが、これまではシティやウォール街の抵抗が強く骨抜きにされてきた。しかし、2001.9.11のテロ事件、2008年の経済危機を経て、タックスヘイブン問題に対する世論の見方は厳しさを大きく増している。更に金融安定化政策の下、緊縮政策を国民に強いているタイミングでもあり、各国の政府財界としても、税の捕捉率を高めてゆくことを検討せざるをえなくなっているようにも見える。
・わが国でのタックスヘイブンに対する関心はこれまではさほど高いものとはいえなかったが、財政赤字を口実に、社会福祉の切り捨てと消費税率の引き上げに取り組もうとしている時、志賀氏の警鐘に耳を傾け、タックスヘイブンを無くしてゆく国際的運動に日本政府として積極的役割が果たせるようにしてゆく必要があろう。
・尚、本書評は、志賀櫻氏著「タックスヘイブン―逃げていく税金(2013年3月岩波書店刊:岩波新書)」を評するものであるが、併せて、雑誌経済2012年12月号掲載論文、合田寛著「タックスヘイブン…グローバル資本主義の聖域」をも紹介している。両書を合わせ読むことによって問題への理解が深まると思われたからである。

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2013年2月 3日 (日)

スティグリッツがアベノミクスを評価したという日経記事の意図とからくり

この記事は3月のスティグリッツ来日による、安倍首相との面談前に書かれたものです。この記事には改訂版がありますのでそちらをお読みください。内容としては、5がつのスティグリッツ再来日、理論会議をカバーしています。

→ スティグリッツが、アベノミクスを評価した意味(3・21安倍首相面談を受けての再検討版) 


1月26日、日経電子版に同付日経朝刊の短い記事が転載されていた。見出しは「アベノミクス『一定の効果』、スティグリッツ教授円高是正のデフレ対策を評価」である。そこで報道されているスティグリッツ米コロンビア大学教授の発言は以下のようにきわめて限られたものであった。

「一時1ドル=75円台に達した昨年秋までの円高は『日本が相対的に安定しているという理由で買われた』と指摘、実体経済を映した水準ではないとの認識を示した。『日本の金融緩和は景気浮揚に一定の効果がある』とも話し、『研究開発支援などの分野で財政出動も必要だ』と提言した。」「円高を是正して景気を刺激し、本格的なデフレ対策を打つという意図は正しい。」

昨年の円高は実勢水準を離れたものであり、円高是正のための金融緩和は、(輸出競争力強化を通して、日本の)景気浮揚に一定の効果があるというのは、スティグリッツの従来からの考え方であった。日本は2011年から既に貿易収支赤字国になっており、赤字額は同年の2兆5千億円から2012年の6兆9千億円に急増している。政府の介入による円安誘導が他国からも理解される状況になっていたのである。スティグリッツは欧州の財政危機においても緊縮政策に反対し、景気刺激策による景気浮揚の優先を主張した。しかし、スティグリッツの金融緩和政策は中小企業や環境保護産業に必要資金へのアクセスを確保し、雇用を増やし、労働者の賃金を引き上げ、個人消費を増加させ、結果的に総需要を大きくしていくことにあった。だから持続可能な総需要の増加に結びつかない金融緩和政策には批判的であった。今回、インタビューの中でもし、日経記者が消費税率の引き上げと、労働力の流動化(賃下げを含む労働条件の悪化)を伴うものであることについて触れコメントを求めていたならば必ずアベノミクスを批判していたであろう。

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2013年1月30日 (水)

ユーロメモランダム2013:深まりつつある欧州連合の危機

 和泉通信の森です。今年の年末年始は後述の文書の翻訳に没頭しており、年賀状は失礼してしまいました。遅ればせながら今年の最初の和泉通信ブログ、をアップロードいたします。
 さて、新自由主義とリフレ政策を合わせたような安倍内閣の経済政策が「アベノミクス」と称され、話題となっています。実際、市場は、円安、株高に動き、少なくとも口先介入の効果は上がっていると言えましょう。しかし、競争力強化と財政赤字の削減の名の下に賃金の抑制、道州制による地方行政民営化と地方公務員の削減、規制緩和の推進が唱われる経済政策では暮らしに余裕が生まれず、内需の停滞により、景気回復も短命なものに終ってしまうでしょう。

今回の和泉通信は、日本の経済動向にも大きな影響を与えると見られている欧州財政危機について、ユーロメモグループが昨年12月に発表した分析文書を翻訳し、紹介するものです。文書名は、《深まりつつある欧州連合の危機・・・求められる抜本的改革 》―2013年版ユーロメモランダム―と言い、「欧州にもう一つの経済政策を求める欧州の経済学者グループ」、ユーロメモグループが発刊しています。ユーロメモグループは西ドイツ出身の政治経済学者、Jörg Huffschmid(1940-2009)のイニシアチブによって1995年に創立されました。グローバル化を批判し、「もう一つのヨーロッパ」のビジョンを掲げています。新自由主義的政策に反対し、「社会的ヨーロッパ」のゴールを一歩一歩目指す道を求めました。「もう一つのヨーロッパ」とは快適な労働条件と生活できる賃金のもとでの完全雇用、社会保障と社会正義、エコロジカルな持続性、国際連帯が保障されるヨーロッパのことです。同グループは、現在も設立当初来の分析スタンスを坚持しており、欧州各国政府、欧州官僚機構、大企業経営者等で構成された現政権の経済政策とその成果を分析、評価し、その上で「もう一つの」欧州経済政策を提示しています。

 尚、「ユーロメモランダム」は、原則的には毎年9月に開催されているワークショップでの検討結果に基づいてまとめられ、1年または、2年毎に発表されています。実際の発表時期は、報告年次の前年の12月となります。(最初の「ワークショップ」は、1995年9月に開催され、最初の「ユーロメモランダム1997」は1996年9月にJörg Huffschmidによって書かれ、1997年5月に発表されました。)
 今回の日本語への翻訳は、ユーロメモグループの了解のもとで、合田寛、森史朗の両名によって共訳され、EuroMemo Groupのホームページと和泉通信ブログの双方に掲載されています。

EuroMemorandum2013(概要)日本語訳→ 「EuroMemo2013SummaryJapaneseTranslation.pdf」をダウンロード

EuroMemorandum2013(概要)日本語訳→ (EuroMemo Group HP)

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2012年12月16日 (日)

2012年12月総選挙各党政策批判

 民主党の野田政権が、国会運営がにっちもさっちも行かなくなり、ついに解散総選挙に追い込まれた。当初(2009年)の選挙公約から大きく道を外れ、国民の支持を失った結果多くの離党者を出し、国会運営のためには自民・公明と連携するしかないところに来てしまったのが原因である。ここではまず、2007年以降の国政選挙の争点の推移と、選挙結果を振り返り、次いで、今回の選挙の争点と各党の政策を比較してみた。尚、政策評価にあたっては、スティグリッツ・米国コロンビア大学教授の評価視点を利用している。網羅的な検証はできなかったが、主要な政党の公約はひと通り読んだつもりである。投票日に掲載することになったのも残念なことであった。
(1)2007年以降の国政選挙を振り返って見る
① 2007年参議院議員選挙
 2007年の参議院選挙では、民主党が50議席から60議席に前進、自公両党は2004年の当選議席60から46に後退し、自公政権は参議院での「多数」を失うこととなった。以後二年半に渡る「ねじれ国会」の始まりであった。
 選挙では小泉構造改革路線への国民の不満が強まり、「二大政党による政権交代論」への期待の高まりが生まれていた。政策的にも、民主党はマニフェスト冒頭で、「自由競争と改革という美名のもと、国民は一方的に重い負担を強いられ、様々な格差が社会を壊そうとしている。国と国民の契約である年金、医療、介護さえ信じられない。」と述べ、消費税引き上げの凍結を含む「国民の生活が第一」のスローガンを打ち出し、「自衛隊のイラク派兵の即時終了」、「テロ特措法延長反対」等自公政権との「対立軸路線」を打ち出したことも功を奏した。
 しかし選挙での議席数の変動は大きかったが、得票率では2%以下での増減であり、民主の「大勝」も、参院選選挙区選挙の小選挙区制的性格によるものであって、勝利の基盤は脆弱であった。一方、自公政権は国政選挙での国民の信認の喪失という事態に直面しながらも、衆議院の解散を受け入れず、衆議院議員の任期満了に至るまで政権にしがみついた。ねじれ国会の長期化は政治・行政の停滞と、妥協による与野党間の政策の同質化をもたらした。

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2012年11月22日 (木)

せと一正衆議院議員共産党大阪第5区予定候補者レポート③

 選挙日程が決まりました。政党の離合集散には慌ただしいものがありますが、それらの政党やグループの衣がどう変わったのか、果たして中身まで変わったのかが問われます。その上でどうしたら本当に国民の暮らしと安全を守ってくれる民主的政治が実現できるのかを考えるのが今回の選挙の課題になりそうです。

 せと予定候補の③回目のレポートです。以下に、ご紹介いたします。

森史朗 2012/11/22 和泉通信
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《共産党が「議席の倍増」の宣言 & 小学校の恩師から応援の手紙》

 日本共産党は10月14日に中央委員会総会を開き、来るべき衆議院選挙で650万の得票を得て衆議院の議席を9人から18人にすることを決めこれをやり抜くと宣言しました。共産党が具体的に議席の倍増をめざすとハッキリ宣言するのは久方ぶりのことです。

 なぜ倍増をめざすのか。消費税の大増税、原発依存の継続、オスプレイ本格訓練開始、農業と医療などをアメリカに売り渡すTPP条約締結、こんな悪政がやられるなら国民に大災害が降りかかるからです。民主と自民だけでなく維新の会がこうした政治を目指しています。さらに民主も自民も維新も平和憲法9条の改変と憲法改正など「アメリカとともに戦争ができる国づくり」でも歩調を合わせています。こうした「歴史の逆流」に痛打を与えストップするには、日本の政治に衝撃を与える「共産党の議席倍増」が必要だからです。

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2012年11月19日 (月)

書評:合田寛「タックスヘイブン:グローバル資本主義の聖域」を読んで

 「経済2012年12月号」(新日本出版社11月8日刊)に、合田寛さんのタックスヘイブンをテーマにした掲題論稿が掲載されたので早速読んでみた。合田さんは昨年末に、「格差社会と大増税」という「税と社会福祉の一体化政策」を批判する著書をタイムリーに出版され、当ブログでも紹介した経緯があった。今回合田氏は国際税制の大問題でありながら余り深められて来なかったタックスヘイブン問題に取り組み、素朴な問いかけから入りながら、問題の本質に鋭く切り込んでいる。先ず、目次は以下の通りである。

1.タックスヘイブンとは何か
2.想像を超える規模
3.見えざるネットワーク
4.タックスヘイブンは世界をどうゆがめているか
(1)タックスヘイブンと金融危機
(2)タックスヘイブンと税の回避
(3)タックスヘイブンと途上国
(4)タックスヘイブンと国際的犯罪
5.タックスヘイブンのネットワークは誰が動かしているのか
6・タックスヘイブンとのたたかい

 どれも、誰もが持つ疑問である。合田氏は、内外の豊富な資料を分析し下記のように答えている。(以下、合田氏の論稿の概要を紹介するが、要約するにあたって、引用は自由な引用をさせていただいた。)

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2012年10月29日 (月)

2008年国際金融経済危機の原因とカンヌG20以降の新たな争点

 もう1月も前のこととなりますが、2012年09月23日に、金融労働研究ネットワーク研究会というところで、研究発表の場をいただきました。レジュメはパワーポイントで作りました。論考に纏めたいという気持ちもあったのですが、今回はパワーポイント版のままレジュメを改定するにとどめました。文章中心のブログ記事ですが表と文章には大分違いが出て来ます。表形式の方が分かりやすい項目も出てくるでしょう。

 テーマと目次は以下の通りです。 各項目A4サイズ1頁ですので、表紙を入れて7頁の小論です。

《2008年国際金経済危機の原因と、カンヌG20以降の新たな争点》
 ①「財政健全化」の名の下での新自由主義の復活
 ②戦後の国際金融通貨制度の変遷
 ③今回の危機の源に対するスティグリッツの視点
 ④カンヌG20の残した課題…新たな争点
 ⑤歪みのない世界への指針…スティグリッツの政策提案
 付、欧州財政通貨危機をどう見るか。

「スティグリッツ国連報告」の翻訳を出版したのが2011年1月、続いてサルコジ仏大統領へのカンヌG20についての諮問回答の翻訳を5月にぶログに掲載、2012年1月に「経済2012年2月号に論考「G20とスティグリッツの戦略」を掲載してきました。そしてカンヌG20を一つのピークにギリシャ財務金融危機が欧州危機に拡大してくる中で、財政健全化のための緊縮政策の名の下に新自由主義の復活してくる姿を見出し、日本における消費税引き上げの動きと合わせ批判を強めてきました。本件レジュメは、これらの問題を事項別にまとめたものと言えます。スティグリッツの考え方を整理してみようとする方にお役立ちできると思います。また、今回の危機の仕組みへの理解、危機への対策の指針を得られるのではないでしょうか。

 パワーポイント・PDF → 「2008nen-kokusaikinnyuutuukakikinogenninnto-kannuG20-ikouno-aratanasoutenkaiteiban.pdf」をダウンロード

以上、

森史朗(和泉通信ブログ) 2012/10/29

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